アレン・ネルソン

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』アレン・ネルソン(講談社文庫 2010)。サブタイトルに「ベトナム帰還兵が語るほんとうの戦争」。
アフリカ系アメリカ人の著者が、勇猛で優秀な兵士としてベトナム人(……兵だけでない。老人、女、子供も多数含む)を殺す。だがそれで最後までいけるわけではなかった。彼の心は病んでいく。(中にはそうならないものもいる。喜々として人を殺し、死姦までするモンスターと呼ばれる男たち)。そんな彼を、ある決定的な出来事が「もう人を殺したくない」と変えさせる。なにがあったかここで描かないが、もし映画で見せられたら号泣するかもしれない。事実、かみさんに話してるとき、泣きそうになった。
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こんな記述もあった。「ベースキャンプに戻ると、基地にはアメリカ合衆国の国旗よりも、南北戦争時の南軍の旗のほうが数多くはためていました。もちろんそれは人種差別の象徴でした」
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この話を友達にメールしたらこんな返事をくれた。『巨人の星』に出てきたオズマ、彼はベトナム戦争で受けた傷で亡くなる設定だと。覚えてなかった。