2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

西出真一郎

西出真一郎 『ろばのいる村 フランス里山巡り』(作品社 2012) おいしいものを、気持ちよく食べさせてもらったら「とてもおいしかったです。ごちそうさまでした」と言えばいい。相手がラーメン屋でもフランス料理でも友達の奥さんの手料理でも、そう言っ…

下村槐太

倉阪鬼一郎の『怖い俳句』。 安部青蛙も良かったが、下村槐太も良かった。 × × × 葱を切るうしろに廊下つづきけり 死にたれば人来て大根煮きはじむ 蛇の衣水美しく流れよと わが死後に無花果を食ふ男ゐて × × × 向田邦子は仕事に行き詰ると蕪村を読んだらし…

石井忠②

石井忠。『漂流物の博物誌』。 本に切り抜きがいくつか挟んである。その一枚。83年12月24日の読売の夕刊。 遠州灘沖から手紙入り瓶を放流した小学生の記事。4年後ハワイ、カウアイ島に到着。返事が来た。 瓶ではないが、去年、花の種を拾った。家から…

石井忠

石井忠 『漂着物の博物誌』(西日本新聞社 1977) 新刊で買った。つまり35年前。書評で見てほしくなり捜したのだが、地方の新聞社だから家の近くに置いてある書店がなくて、新宿か神保町で手にいれたと思う。ネットがない時代の話。石井はその後何冊も書…

岩明均③

キンちゃんから手紙が来た。萩本欽一ではない。岩明均。 このまえ会ったときに出た話を補足するブツを送ってくれたのだ。 × × × 彼が修行僧のように仕事をすることは、関係者も友達も良く知っている。もうちっとさぼってもいいんじゃね?という凡人の悪の誘…

倉阪鬼一郎

倉阪鬼一郎『怖い俳句』(幻冬舎新書 2012) 電車の中で読む。期待にたがわぬ面白さ。 打ち合わせを終え、帰りの電車でも読む。 ホームから夕暮れが見えた。ちょっと嫌な予感。電車に乗り込み、暗くなれば、今度は流れる車窓から黄色い月だ。まずいと思う…

吉田大八②

『桐島、部活やめるってよ』DVDが来た。 (前稿を先に読んで下さい)桐島、部活やめて、どうなったのか? 桐島、部活やめて、映画部は結束が強まった。屋上での撮影は後日できるし、ちっとはあのときのフィルムも使えるかもしれん。隕石も「この際だからこ…

岩明均②

キンちゃんに会った。 岩明均。 「隕石が落ちてこないかしら」「落ちたよ」 昨日はこんな会話で始まった気がする。 それから、ホルター心電図(24時間心電)の話、薬の話、ブラックジャックの話、バーカの話、アラブの春の話、バーカの話、バーカの話、二本松…

田中直樹

ココリコ田中直樹が好きだ。 『ペルソネル活動』が好きだ。 だから頼まれてもいないのに勝手に書いてみた。 × × × 田中、食事をする。 その姿にナレーションが被さる。 NA「タクシーでも電車でもいい。流れる車窓の風景を見ながら、自分がこの町の出身だっ…

ダイアン

ダイアンが好きだ。 頼まれてもいないのに勝手に書くほど好きだ。 × × × 津田「センセ、手術、どうだったでしょうか」 西澤「はい、無事終りましたよ、大成功です」 津田「ありがとうございます!」 西澤「ただもう一度手術してもいいかなって。それもありな…

草野大悟

草野大悟 『同志!!僕に冷たいビールをくれ』(講談社 1980) 副題に「天平の甍」中国ロケはみだし記。 タイトルがいい。同志に「トンヂイ」のルビ。 表紙もいい。装丁は平野甲賀。表題の書き文字は赤で、これはなんていうのかな、毛沢東語録の古い版の表…

バカリズム④

バカリズムが好きだ。頼まれもしないのに勝手に書くほど好きだ。 紙芝居「桃太郎と須藤宏」④ (①からお読みください) (あのいつもの絵で) × × × 居酒屋で、桃太郎の家来の須藤宏(40歳)が堀田水江(52歳)と話をします。 「あんたとジャンケンして、あいこが…

グレゴリ青山

グレゴリ青山『もっさい中学生』 友引の日に葬式は良くないと言うのは知っていた。だけど『精神医療に葬られた人びと』(織田淳太郎 光文社新書 2011)を読んでいたら、友引の日に退院を決めたという文章が出てきた。ゲンを担いで、まだ入院してる人々のために…

バカリズム③

バカリズムが好きだ。 頼まれてもいないのに勝手に書くほど好きだ。 紙芝居「桃太郎と須藤宏」③ (①からお読みください) いつものあの絵を見せながら。 × × × 桃太郎と家来の犬、猿、キジ、須藤宏(40歳)が鬼が島に遊びに行ってからひと月。 犬が須藤宏に呼…

岩明均

岩明均とは長いつき合いになる。 大学の漫研の同期で、年齢も一緒だ。「金が欲しいなあ」「そこに10円落ちてますよ」これが最初に交わした言葉だったような気がする。 漫研には新入生歓迎コンパがあり、新しく入部した者は芸をする決まりになっていた。歌…

バカリズム②

バカリズムが好きだ。 頼まれたわけでもないのに勝手に書くほど好きだ。 紙芝居「桃太郎と須藤宏」② (①からお読みください) (いつものあの絵を見せながら) × × × 桃太郎と家来の犬と猿とキジと須藤宏(40歳)が鬼退治に行ってから一年。 桃太郎の家に須藤宏が…

バカリズム①

バカリズムが好きだ。 頼まれもしないのに勝手に書くほど好きだ。 紙芝居「桃太郎と須藤宏」① (いつものあの絵を見せながら) × × × 桃太郎が、家来になった犬と猿と歩いて行くと今度はキジがやってきました。 「桃太郎さん、桃太郎さん、いったいどちらにお…

吉田大八

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は足の映画だった。 『クヒオ大佐』は腕。 じゃあ『パーマネント野ばら』はなんだろう?パーマ屋だから髪?そう思って作品を見たら、答えは後ろ姿だった。なるほど人は髪を切ってもらうとき後ろを見せるしなあ。監督に言…

キングオブコメディ

キングオブコメディが好きだ。 頼まれもしないのに勝手に書くほど好きだ。 × × × ベンチ。背広姿の高橋がいる。会社の昼休みか。 左手、包帯に三角布をした学生服の今野が来る。 今野「こんにちは!」 高橋「こんにちは」 今野「こんにちは!」 高橋「……こん…

大島渚

大島渚に二度誉められたことがある。 まずは二度目から。 大学時代に作った自主映画の『バスクリンナイト』を、ぴあフィルムフェスティバルの審査員として、その年のベスト1に選んでくれた。 「このような映画がどこから発想されるのか、私には想像もつかな…

ラバーガール

ラバーガールが好きだ。 頼まれもしないのに勝手に書くほど好きだ。 × × × 長椅子。 左腕、包帯に三角布の大水が座っている。 飛永が足を引きずって来る。 大水、ずれて、スペースを作った。 飛永「あ、すみません」 飛永、隣に座った。 飛永「ここ、いつも…