片桐はいり

今日の目標。犬がボケたら必ずツッこむ。
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煙草を喫わないので煙草のシーンをまず思いつかない。書いてもうまくない。
片桐はいりの『グアテマラの弟』(幻冬舎 2007)は繊細で気持ちの良いエッセイだが、ここに煙草が出てくる。グアテマラに住む弟に案内されて、人がほとんどいない「この世からほったらかされたような千年も前の遺跡」に行く。雨にけぶる風景を見ながら彼女は人生の不思議を思う。その結びの文章、「私たちは雨が上がるのを待って黙って何本もの煙草に火をつけた」。煙草の煙が見えるようですね。
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別の著書『もぎりよ今夜も有難う』のアマゾンレビューにこんなのがあった。「なぜか彼女を町中でよく見かけるのですが……」。ふふふ。実は私もしばしば見かけます。「なぜか」だとは思いませんが。