野見山暁治 加藤周一

平凡社の雑誌「こころ」vol.5(2012)を読む。
「海を渡った剣客」と題して野見山暁治加藤周一のことを書いている。パリで加藤に会った野見山は食事に誘われる。メニューを選んだ加藤は「スープもサラダも肉も全部一緒に持ってきてくれ」とギャルソンに頼む。そして野見山に言う。「キミ、なにもフランス人の真似をすることはないんだ。ぼくたちはぼくたちの作法で食べればいい」野見山は感じ入り、料理を食べるのだが、いちいちスプーンやフォークを代えないといけないので食べにくい。加藤は?と見れば彼もまた勝手が違うようだった。野見山は思う。おそらく彼が初めて試みた「日本作法だった」のでは。そしてこう結ぶ。「二度と繰り返さないだろう。いやボクとは違う。剣客なんだ。他の作法を探し出して、試さなければ済まんはずだ」。

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あとがき。今回40冊目の著書となる。取材は添川田正一氏に世話になった。それだけでなく、ミツアミも編んでもらったし、私の代わりにいたずら電話もかけてもらったし、盲腸になったときは手術までしてもらった。心から感謝しています。

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