真ん中が恐い

このごろずっと中井久夫先生をあれやこれやあちこちちょこちょこつまみ食いの再読。「私の人間理解は間違ってない」と自己肯定のために本を読む日が来るとは思ってもいなかったが、まあそれはいい。『統合失調症の有為転変』を読んで考えたこと。
先日ホテルに泊ったのだが、ホテルは怖い。おばけが出るから。このとき、どこにおばけが出ると考えると、空間の面白さ(あるいは自分の癖)が見えてくる。ドアや窓の境界か。それとも自分の背中側か。あるいはすでにベッドの中か。これはもうすぐ侵入されるのか、あるいはすでに侵入されているのかに分けられる。言いかえればサスペンスかサプライズか。
だけどそういう怖さでなくて、あくまで空間で考えると、恐いのは狭いビジネスホテルでなく、何もない8畳間ですね。隅に私がいて8畳間全体を見渡す位置に立つとする。このときもっとも恐いのは部屋の中央ですね。真中。これはもうなんていうか物理学的な問題になるかもしれない。知識はないけどそんな勘がします。神は細部に宿るというが、ロラン・バルトを持ち出さなくても、なにもない真ん中こそいらっしゃるのではないか。聖なる場所ではないか。3人並んだ真ん中がちょっと嫌なのも恐れ多いせいか?あ、かごめかごめもまさにそうだな。ぎゃ。中井先生も、ずばり「中」があって、さらに「井」は真ん中に空間がある!

統合失調症の有為転変

統合失調症の有為転変


にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村