ウドム・テーパーニット

小学校教諭山谷倫太郎(34)は生徒の母親と問題を起こし、心に傷を負う。その傷を癒すために、10年前初めて担任を持った3年2組34人の生徒の、母親全員に会いに行くことにした。生徒には会わない。母親たちだけ。生徒にたまたま出くわしても目は合わせない。合わせるのは母親たちだけ。教師とは何か?母親とは何か?仮題『母親先生』。
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『gu 123』ウドム・テーパーニット(ポーティーパーニッド 2001) 
帯に「タイ国超ベストセラー 国民的コメディアンの愛すべき日々」とある。日本語なのに定価が450バーツ。タイ国内で売ってる?なぜ?
日記好き、いや「日記本」好きなら、たまらない造りになっている。ほとんどのページの下段に写真付きの用語解説があるが、それは親切であるだけじゃなくて、小さい写真がいっぱいあるほうが本としてカッコいいじゃん!っていう狙いだと思う。「香菜和え風味のグリコ」(タイ国限定のプリッツです。江崎グリコ製造です)そしてそのプリッツのカラー写真(2×3センチ)。こんなのがたくさん。ここを読むだけでも二度おいしい。もちろん日記そのものだって抜群に面白い。たとえばこんな一日。
仏歴2543年(西暦2000年)11月9日。エミリー、そしてクワンと黄金山寺院のお祭りに行く。食べ物がおいしくて混み合っていた。お寺のお祭りや赤十字のお祭りは、いつも優れた食べものが集まる中心になっていて、いろんな地方から集まってくる。でも、きょう、一番やられたのはイカの卵揚げだ。貝のお好み焼きのように、大きな中華鍋で揚げていて、一皿で20バーツ。すごく酸っぱいタレをかける。
どうですか。いいでしょう。このあとクラウスのお化け(首から下は内臓)の見世物小屋に入るんですが、もちろん、黄金山寺院も、クラウスお化け(ともに写真あり)も解説がついている。ただイカの卵揚げはなくて、貝のお好み焼きの説明だったけど。「ムール貝を水溶き片栗粉で一緒に揚げた料理」だって。