牧野周一

「おれ、ビーフシチューをパンとドリンクバーのセットにするわ。高木は？」
「あのさ、このスーパーウルトラジャンボハンバーグ、名前のわりに小さくね？」
「え？ああ、これ、ここに書いてあるじゃん、写真は１００分の１に縮小したサイズですって」
「デカいね」
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昨日は午後から神保町。古書会館ではなにも買わず、昼飯はキッチン・ジローで魚フライとハンバーグのコンビ。あれ？目玉焼きがのるようになったのか。トン汁のゴボウが相変わらずおっさんの足の親指ほどにでかい。おばちゃんも相変わらずコックさんに注意されている。隣に座った客がつけあわせのキャベツのせんぎりの山にいっさい手をつけずに会計する。いかんな。食べ終え、小宮山のガレージ。今日は心理学が多い。あとお遍路関係。え？お遍路さんだけで「関係」なんて言えるほど数出てるの？それが出てた。驚いた。出どころは個人でしょうか。お遍路さんご朱印帳があったから。中をのぞくと数か所訪ねてた。買わなかったけど。ていうかここでも一冊も手を出さなかった。あ、本を見る客のなかに、缶コーヒーをくちゅくちゅ言って飲む人がいた。飲みものもいかんし、くちゅくちゅもいかん。
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朝日新聞のＰＲ誌「本の時間」８月号に、南伸坊が漫談の牧野周一のことをちょびりと書いている。「なーんか、のんびりした調子で」という伸坊の言い方がうまい。「のんびり」のほうじゃなくて、「なーんか」の方。そうなんすよ、空いたバスに乗ってると、さっきまでまったく気配がなかった背広のおじさんがささやくように話しかけてくる。どうしたのかしら？と耳を立てると、「今日は木曜日じゃなくて水曜日なんですねえ」と、なーんか言うのが牧野周一なんすよ。

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