岡田慎一郎『古武術あそび』

岡田慎一郎の『古武術あそび』(NHK出版 2007)再読。
キツネさんの手とは。ぎゅっと握って相手を引っ張っても、なかなか相手(人間でも物でも)は動かない。しかし握るのを、指五本全部でなく、中指と薬指(影絵のキツネの形に近い)だけにすると、不思議と相手を動かすことが出来る。なぜそんなことが出来るかといえば、五本全部だと腕だけの力を使おうとするのに対して、二本だけだと腕の力に頼れず、体全体を使おうとするためらしい。

親子で身体いきいき 古武術あそび

親子で身体いきいき 古武術あそび

映画を見たあと、わりときっちり考える。飲み屋でわいわい話すことになったとき、グチャグチャ話ができるように。ってことは全然なくて、まあクセですね。でもしばらくすると、そういうのは忘れて印象だけが残る。これってよく考えると不思議だな。どうしてそういう作業を脳はするんでしょうね?印象って書くとツルリとしてつかみにくいので、ここでは「抽象」って言葉に代えましょうか。なぜ脳は抽象にするのか。引き出しにしまった後でのインデックスか。しかしその割には後で引き出し捜しにくいぞ。「面白かった」「つまらなかった」なんて大ざっぱ過ぎる。だったらさっぱり忘れたほうが良くないか。
となると逆か?意図せず残るのか?脳が記憶を消去しようとする。そのとき作品が叫ぶ。「消すな!」「やめて!」その短い叫び声の、強い調子があるのが「おもしろかった」やつで、おどおどして自信がないのが「つまらなかった」やつか。つまりその叫び声が記憶に残るのか?

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