向井雅明『考える足』

向井雅明『考える足 「脳の時代」の精神分析』(岩波書店 2012)読了。
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トイレに行く夢をよく見る。これは仕事の夢だと思う。便器に坐ったのはいいが、斜めになっていて、排泄ができない。つまりは監督、あるいは漫画家と、うまくバランスが取れてないということだろう。
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本屋に行くとトイレに行きたくなるというのがずいぶん昔に話題になった。『本の雑誌』だと思うけど、たしか最初の投稿者の名前をとって、青木まり子現象と名づけられたと思う。
これはラカン的にいえば当然の帰結ではないか。つまり言語の世界にいやおうなく参加させられた人間(私)が、たくさんの作品、すなわち他人の大量の大便を見せつけられて、自分も同じように、肛門リビドー(向井は欲動と使う)を発動してしまう、ということではないのか。
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たしかに本屋にはお母さんに褒めてもらいたい、あるいはお母さんに抵抗(といってもたかが知れてる)する作品ばかりが並んでいるわけで、ベストセラーは基本的にそういうものなのかもしれない。

考える足――「脳の時代」の精神分析

考える足――「脳の時代」の精神分析


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