漫画家志望のみなさんみなさん

漫画家志望のみなさん。心を描くってのは行動を描くってことですよ。感受性豊かで、人の痛みがわかる登場人物がいるとして、わかっただけではドラマになりませんよ。わかってどう動き出すかってことですよ。そしてたぶんそれは最初の5ページですよ。だってその人物に挫折をちゃんと与えてあげたいじゃないですか。
これはもちろん漫画家志望のあなたにも言えますよ。わかっただけで動かないなら、ダメですよ。すでにあなたの人生は5ページ越えてませんか?
そしてこの文章を書いてる私もそうですよ。偉そうに言うのはいくらでも言えますよ。作品を書いてなんぼですよ。
×  ×  ×
中垣俊之『粘菌その驚くべき知性』読む。面白い。実験に使うために、最適な環境で粘菌を飼育するのだが、それでも弱るものがたびたび出る。元気のなくなった粘菌は生ゴミとしてゴミ箱に捨てる。だがそうなると不思議と元気になってしまう。中垣は荒々しい環境(ゴミ箱の方)が生物にとって好ましいのかもしれないと指摘する。
先日、テレビ番組でさかなくんをとりあげていたのだが、さかなくんがアマチュアで初めて、カブトガニの卵を孵したのは有名な話で、ここでもそれを紹介していた。さかなくんはカブトガニが水槽に閉じ込められた状態なのがかわいそうで定期的に散歩させていたそうだ。番組では、この散歩がカブトガニに潮の満ち干を想わせ、孵化に成功させたと解説していた。もちろんそれもあるだろうが、プラス、荒々しい環境を与えた意味もあるのでは?と『粘菌……』を読みながら思った。カブトガニの散歩って。
漫画家志望のみなさん。持ち込みは怖いけど、荒々しい環境の方が生物にとっては良いみたいですよ。
ふふふ。まとめてしまった。

粘菌 その驚くべき知性 (PHPサイエンス・ワールド新書)

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