田中直樹

ココリコ田中直樹が好きだ。
『ペルソネル活動』が好きだ。
だから頼まれてもいないのに勝手に書いてみた。
×  ×  ×
田中、食事をする。
その姿にナレーションが被さる。
NA「タクシーでも電車でもいい。流れる車窓の風景を見ながら、自分がこの町の出身だったらと想像してみる。小学校が見えたら、そこに通っていたのだと思い、公園が見えたら、あそこでカクレンボしたなあと考える」
田中、食事をする。
NA「立派なお屋敷が見えたら、そこはもう友達の家だ。遊びに行くと、必ずシュークリームが出たな、うまかったなあ、しかしあれはどこのケーキ屋で買ったものか?と謎が浮かんで、とたん、ケーキ屋が見えると、そうだ、ここだった!と腑に落ちる」
田中、食事をする。
NA「こんな感じで、あなたは夕飯を、これは朝飯と思って食ってごらんなさい。閉まった雨戸の向こうは、実は朝日が射していて、さあ、今から一日が始まるのだ、今日もとりあえず、しのいでみるか、そう思って食ってごらんなさい」
田中、食事をする。
背後、雨戸が閉まり、カーテンが閉まっている。
田中、食事をする。
食べているのは、ご飯に味噌汁、豚の生姜焼きに白菜の漬物。
NA「それが出来たら、次は食ってるご飯をライ麦だと思ってみなさい。味噌汁をコーンスープ、豚の生姜焼きを鮭のちゃんちゃん焼、白菜の漬物を森永おっとっとだと思って食べてみなさい」
田中、食事をする。
その田中の目の前、妻も夕飯をとっていた。
妻が言う。
妻「ねえ、今日、カルチャーセンター行ってきたんでしょ?どうだった?脚本家の人ってどんなこと言うの?」
そこへまたNAが被さる。
NA「目の前にいる妻を宮崎駿だと思いなさい」
田中、妻を見る。
妻「私も行こうかな?でも脚本を書くのってどうやって練習するの?」
田中、妻を見ている。
妻、気づいた。
妻「どうしたの?」
田中「……ヒゲ、剃ったんですね」
妻「え?なに?聞こえなかった、なんて言ったの?」
田中、妻を見ている。
妻「(勘違いし)ふふふ。お風呂一緒に入りたいんでしょ?」
田中「(驚き)!」
妻「いいわよ、だって今日ね、ちょっとフェミニンなネグリジェ買っちゃったし」
田中「驚き)!!」
妻「赤ちゃん、そろそろいいかなって」
田中「(驚き)!!!」
おわり
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