岩明均③

キンちゃんから手紙が来た。萩本欽一ではない。岩明均
このまえ会ったときに出た話を補足するブツを送ってくれたのだ。
×  ×  ×
彼が修行僧のように仕事をすることは、関係者も友達も良く知っている。もうちっとさぼってもいいんじゃね?という凡人の悪の誘いもぴしゃりと断り、孤高に真面目に机に向かう。だがそこに悲壮感はない。淡々とやりこなす。だから修業僧は正しくない。高僧だ。
高僧はユーモアがある。どこまで本気か冗談かわからないことをしれっと言って、こちらがぽかんとすると、かかと笑う。 岩明もそうだ。もちろん作品もそうだし、発言にもそれはある。大学時代、私の監督する自主映画で、ハンチングをかぶったベテラン刑事を演じてくれたことがあったが、そこにも絶品のユーモアがあった。 つまり笑いをわかっているのだ。
その彼のくれた手紙の冒頭を無断で紹介する。
「(略)ブログ読みました。そんなにバーカの話ばかりしたというんですか!したなあ。クジャクの羽根はあまりホウキむきじゃありませんでした」
一読爆笑した。これってキンちゃんを知らない人はわからないのかな?「いうんですか!」と声を荒げて、ぼそりと、でもはっきりと「したなあ」。ふふふ。さすがだ。