ドガ

ペコちゃんのことを書いて思い出した。
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学生時代、あこがれの先輩っていませんでしたか?こう書くと、異性の話になっちゃうか。そうじゃなくて、一目置く先輩っていうか。
高校2年のとき、美術部に友達がいたんで美術室によく遊びに行ってたんだけど、芸大を目指して、毎日、トルソーのデッサンをしている3年生がいた。話もしたことなかったんだけど、うちの高校からそっち方面に行く人は皆無に近かったので、それだけでなんか気になった。
その先輩が文化祭のポスターを書いた。ドガの踊り子、そこに高校名と日時と場所。おお、と思いました。ドガ風のそれっぽい絵じゃないですよ。まんま模写です。それは見事な。当然、ドガだから美しいし、清涼感があるし、見慣れてるから、町の通りに貼ってあればなんの違和感もない。だけどよく考えれば変だ。なぜ高校の文化祭で踊り子?「いいじゃん。俺が描きたかったんだから」。私はそう受け取りました。そしてカッコイイと思った。
文化祭のポスターは公募制だった。といっても、美術科がある学校ではなかったから、応募してくる人間は少ない。せいぜい3人ぐらいだった気がします。3年になったとき、先輩を真似して自分も応募した。ドガでなくウォーホル。ただし題材はオリジナルのペコちゃん。落ちました。