土田世紀

木久扇「私たちはもういい大人でしょう。だったら量よりも質にむかうべきだな。量が多い方がいいって、学生相手の定食屋じゃないんだから」
圓楽「その話はいいって」
木久扇「だいたい座布団がたくさん欲しいって意味がわからない。たくさん積むとどうなるんです?座りにくいだけですよ」
圓楽「だからやめなよ」
木久扇「簡単にいえば、権威を見せつけるためなんですよね、そういうことですよね。イヤだな、そういうの、へどが出るほどイヤだな。本当のことは目に見えないんだよ、って星の王子様も言ってましたよ。あ、先代の円楽さんのことじゃないです、本物のほう」
圓楽「わかってるよ、そんなこと。とにかくその話しはダメだよ、あんたが大人にこだわるならなおさらだ、大人なら黙れ」
木久扇「ですから私は数じゃなくて質にこだわりたい。質のいい座布団をいただきたい。もちろん羽二重とかでもいいし、たとえ安くても気持ちが込められた、そういう座布団をいただきたい」
歌丸「山田くん、木久扇さんの座布団全部取って」
山田「はーい、ただいま」
歌丸圓楽さんも座布団取って、なんか感じ悪い」
山田「はーい、ただいま」
×  ×  ×
昨日スーパーを突っ切って行ったら、お母さんと幼稚園の年少さん(娘)の会話が聞こえた。
「お母さん、しめじ買うの忘れちゃった」
「しめじ!大変だ」
「そうだよね、××ちゃんが大好きなシメジだものね」
今どきの幼稚園年少さんはシメジが好きなんですか?私が幼稚園のころはシメジって言葉も知らなかった気がする。
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本占地も出てくる『編集王』(土田世紀 小学館)は大好きだ。何度読んでも泣く。漫画家志望のみなさん。未読なら読んで泣こう。泣いて、俺だって、私だってとがんばろう。
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