田上よしえ

アクション映画と孫についてちっと書きます。
×  ×  ×
「やっぱりお孫さんはかわいいですか?」
「かわいいね」
「お名前は?」
「それはどうでもいい」
「男の子?それとも女の子?」
「それもどうでもいい、私は孫がかわいいのだから。もちろん私も自分を引っぺがして、祖父として対応します。祖父は孫を裏切らない。孫も祖父を裏切らない」
×  ×  ×
「あの作品はアクション映画としてはテンポがひどい」とか言うじゃないですか。これって上の孫じゃないですか?違いますか?
……と始める前に、ひとこと言っておかないといけないかな。「映画にしても小説にしても漫画にしてもいろんな見方がある」ってことを。え?なぜそんな誰でも知ってることを照れずに宣言するのよお前バカじゃねえのバカバカバカ、と言う人もおるでしょう。でもそれは私がこれでお金をもらってるからで、監督やプロデューサーや担当編集が「香川くん、映画ってのは結局は××だよな」と言ってきたとき「はい、ごもっともです」と言う余地を残しておくためです。それだけです。だって本当は見方なんてひとつしかないもん。映画か?否か?小説か?否か?漫画か?否か?そんだけだもん。
「あの作品はコメディ映画として全然笑えない」とか言うとき、「作品」より前に「コメディ」がある。コメディという抽象がある。だからそれからはみ出たものはダメなものに見える。それのどこが悪いのよキー!というお叱りの声が今聞こえました。はいはい。だから言ったでしょう。悪くないって。でもね、ある種の人ってそれをすごく言うのよね。鬼の首をとったように。そんなにうれしいか?鬼の首取って。だいたい鬼の首取ってどうする?取ったら怖くね?ずっと持ってられる?よしわかった。置いたらダメだからな。右手で持って左手でメロンパン食えよ。「私は孫が好きなのよ。でも孫としてふさわしくないわ」。もちろんジャンルは確実にあるし、そういうのが観たい気分のときもあるのはわかるけど(アダルトとかとくにね)、でもそういうこと言う割に、それほどコメディのことを好きじゃなかったりする。あのさ、あんた本当に孫が好きなの?鬼の首を持ちながらなおかつ孫をあやせる?……って問いかけなくてもいいんだよね。だって、こういうことを言う人はまさに祖父だから。この人自身の顔も個性も全然見えないから。
当然のことながら、私のこの文章の流れでいけば、孫が「映画」だったら文句はありません。つまり「コメディ」じゃなくて「映画」として面白いのか否か?「ミステリー」じゃなくて「小説」として面白いのか?そういうのはすごく聞きたいです。さらに問えば友近柳原可奈子田上よしえ横澤夏子、誰がいちばん面白いのかも聞きたい!
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