スティーブ・マックイーン

「ママさん、ワシなのじゃ」
「ワシってパパなの?」
バカボンのママ、ワシワシ詐欺に引っ掛かる!
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なんとなく今日はやる気が出ないなあ、って日がすでに30年目に突入しました!
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『監督と俳優のコミュニケーション術 なぜあの俳優は言うことを聞いてくれないのか』ジョン・バダム クレイグ・モデーノ(フィルムアート 2012)。
別の本を検索してたら見つけた。難しい内容かと思ったら「俳優とケンカしたら監督は負けだよ、プロデューサーは向こうの味方だもん、哀しいね」とか「舐められたらダメだよ、でも気張ってもダメ、知的なふりをしてごまかしてもばれるよ、わからないときは素直にわからないと言おう!」とか、高校生が中学生に言うようで面白い。具体例満載なので、むしろ楽しいゴシップとして読める。たとえばこんなの。監督のピーター・ハイアムズ(『カプリコン・ワン』とか)はスティーブ・マックイーンの奇行に悩まされていた。脚本の打ち合わせをレストランですると、空のグラスに痰を吐きつづけ、現場に入ってるマックイーンに陣中見舞いに行くと、座った隣の椅子を銃で撃ってくる。そこで先輩格の監督リチャード・ブルックス(『ミスターグッドバーを捜して』とか)に相談に行った。ブルックスもまた「怒りで目が覚めて、時間とともにもっと怒る」人物。そのブルックスにマックイーンのひどさを20分かけて言うと、ずっとパイプに視線を落としていた彼はハイアムズにこう言った。「一度だけ言うからよく聞け。俳優を使って映画を撮るのはクソを食らうことだ。じゃあ出て行け」。