レッツゴー三匹

少年漫画家志望のみなさん。レッツゴー三匹って知ってますか?
「じゅんでーす」「長作でーす」「三波春夫でございます」両端からパチン!と頬を叩かれ、まん中の正児のメガネがずれる。……という、一世をフービした漫才トリオなんですけど、知らなくてもぜんぜんいいです。ただそのリーダーの正児さんがトリオのいいところを聞かれて「AとBがケンカするでしょう。そのときCがどっちにつくか?それだけでややこしくなっておもろいでしょ」って言ってたんでね、それをお知らせしたくて説明させていただきました。はい、これって勉強になりますよね。
対立を作るのがドラマの基本ですけど、ミツドモエって視点を持てると、さらにもうひとつ面白くなりますよ。これは三者が同時に闘うっていうことだけを言ってるんじゃなくて、AとBが闘うときにCが大きく影響を与えるという広い意味で捉えて下さい。だからCは天候でもいいんです。天候はAに味方するのか?それともBに味方するのか?Aの得意技は雨に弱い。だからBに有利。だが天候が急変した。だから今度はBが不利。そういう状況ですね。でも間違えてはいけないのは、ただCを都合よく使うんじゃないんですよ。いや、作劇って結局は作者の都合で使うんだけど、まあそれは置いておくとして、ただ偶然だけでCを使うんだったら、ミツドモエにはならないってことです。ではどうしたらドラマになるか。それはAの(あるいはBの)意識です。Aは相手のBだけでなく同時にCとも闘っている。そしてCを味方につけようとしてる。あるいはCと闘うためにいったんはBと手を組もうと考える。それが大事なんですよ。
では応用です。AとBの将棋の対決。対戦中、Aのお腹が痛くなった。この場合の腹痛はCですか?はい、違いますね。これはCではない。でもこの腹痛が今朝の料理の生卵に原因があったとしたら?そうです、Bも同じように生卵かけご飯を二杯も食べてたんです。その場合は間違いなくCですよね。この場合、A対B対「大腸菌」が闘うわけです。しかも!腹痛は偶然ではなかったのです!なぜなら生卵には裏があったのですから。会場となっている旅館の板長Dが実は将棋が大嫌いで(将棋好きの父に虐待された、ご飯もろくに食べさせてもらえなかった。それでその悔しさをバネにして板長にまで上りつめた)わざと古い卵を朝飯に出したのでした。だが待って下さい。ひとつ不思議なことがあるじゃないですか。Aが好きな(心に秘めている)女性新聞記者Eも同じように朝食を食べていたではないですか?なのに彼女は腹痛を起こしていません。なぜでししょう?単に胃腸がものすごく丈夫だから?違います!断固違います!彼女は卵を食べなかったのです!ああ卵が嫌いなのね?それも違います!彼女は卵が大好きなんです!でも食べなかった!なぜなら彼女Eも実はAを愛していて、Aが勝てるよう、卵断ちをしていたから!がーん!そうだったのか!初めてEの気持ちを知ったAは絶対に負けられないと心に誓いました。しかしBもまた負けられないと強く思うのです。なぜならBもまたEを好きだったから。そして板長DもまたEを好きでした。板長Dは将棋の駒がパチンという音は嫌いでしたが、Eのハイヒールのコツコツという音は大好きだったのです。さらに事件は続く。Eが残した卵を自分のお昼ごはんにしようとした仲居のFは……。そしてAの腹のなかにいる大腸菌Gもまた……。
なんのこっちゃ。
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