毒蜘蛛男爵 地獄大帝 別役実

「毒蜘蛛男爵、オレ、地球征服するのやめることにした」
「なに言ってんだよ、地獄大帝!最後まで一緒に頑張ろうって、言ったじゃんかよ!」
「……」
「もしかしてお父さんの具合それほど悪いのか?」
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別役実の『さんずいあそび』(白水社 2006)。
ものすごくひさしぶりに別役のエッセイ。
「××つくし」シリーズに夢中になったのは学生時代か。あのころからすでに本はほとんど古本屋で買う習慣だったが(ケチだから)、別役の本は半額ではなかった。だいたい3割引きだった。今回のは7年前に出たとはいえ、売り値60円。うーん。
「 」の使い方が別役だなと思う。いや「××つくし」のときにはそう思ったかどうかは覚えてない。ていうか「××つくし」に「 」が使われていたかどうかもわからない。確かめればいいが、今は手元にない。
なんでもいいがたとえば犬にしましょうか。別役が犬を「 」に入れたとたん、そこにはもういつもの見慣れた犬はいない。別役は何事もないかのごとく静かに語りだす。語れば語るほど、そこにいる犬はあいまいで不確かなものになっていく。だから別役は犬を「 」に入れるのかもしれない。溶けて流れてしまわないように。
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