少年漫画家志望のみなさん
坪田信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』読了。
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
- 作者: 坪田信貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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具体的な勉強テクニックも面白いし、金髪ギャルのさやかのキャラも立っているし、さやかの母、父も個性的で、これはそのままドラマにできるし、なるんだろうなあと思いながら最後まで楽しく読みました。
少年漫画家志望のみなさん。主人公に動機を与えるのはいまどき難しいですけど、でもこの本を読むと、ある特定の人物の存在が動機になるのがもっとも説得力があるとわかりますね。当たり前ですけどね。ちなみに金髪ギャルさやかはなぜ慶応大に入りたかったかといえば、それは教師に褒められたかった、認められたかったということでした(著者自身がその教師だから、見えにくくなってるけど)。
たとえば野球漫画を描くとして、父を超えたい、親友に勝ちたい、彼女に認めてもらいたい、などなど、結局はそういうことなんでしょうね。そしてそういうふうに設定を置くと、そのあとのドラマも作りやすいですよね。物語を進めるうえで、当然登り坂をきつくして、ガソリンを足す作業をするわけですが、それも人間だと作りやすい。父が死んじゃったり、彼女がとりあえず認めてくれたり、親友がますますレベルアップしたり、いろいろ仕掛けられるわけですから。
そんなの言われなくてもわかってる?はいはい。その通りです。でも案外意識してないと思うんですけどね。つまりは動機となる人間がどれだけ魅力的かってことですから。主人公以上に彼(女)に惹き付ける力がないと、結果動機にならないし、主人公がバカに見えちゃうんですよ。だから作者が腕をふるうべきは、主人公以上にこっちの人物の造型で、それこそがドラマのカギを握るわけではないでしょうか。
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